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破産手続終了と法人格
  1. 破産手続において,最後配当,簡易配当または同意配当が終了した後,計算の報告のための債権者集会(破産法88条4項)が終了したとき,または計算の報告書に対する異議提出期間(破産法89条2項)が経過したときは,裁判所は破産手続終結決定をします(破産法220条1項)。その公告により破産手続は終結します。
    破産者が会社であるときは破産手続終結の効果として法人格が消滅し(破産法35条),裁判所書記官は,破産法257条7項にもとづいて破産手続終結の登記を嘱託し,終結の登記がなされることによって法人登記用紙が閉鎖されます。
    しかしながら,残余の財産があれば法人格の存続を認めざるを得ないと考えられます。その場合,解散会社は清算手続を行うことになります。
  2. なお,株式会社が破産し,破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき別除権者が放棄の意思表示をする際の相手方は,破産手続開始決定当時の代表取締役ではなく,利害関係人の請求により裁判所が選任する清算人であるとされています(最決平成16年10月1日)。以下判例の抜粋です(条文は旧商法のものです)。
    『破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき別除権者がその放棄の意思表示をすべき相手方は,破産者が株式会社である場合を含め,破産者である(最高裁平成11年(許)第40号同12年4月28日第二小法廷決定・裁判集民事198号193頁)。また,株式会社が破産宣告を受けて解散した場合 (商法404条1号,94条5号),破産宣告当時の代表取締役(以下「旧取締役」という。)は,商法417条1項本文の規定によって当然に清算人となるものではなく,会社財産についての管理処分権限を失うと解すべきものであって,その後に別除権の目的とされた財産が破産財団から放棄されたとしても,当該財産につき旧取締役が管理処分権限を有すると解すべき理由はない(最高裁昭和42年(オ)第124号同43年3月15日第二小法廷判決・民集22巻3号625頁参照)。したがって,別除権放棄の意思表示を受領し,その抹消登記手続をすることなどの管理処分行為は,商法417条1項ただし書の規定による清算人又は同条2項の規定によって選任される清算人により行われるべきものである。そうすると,破産者が株式会社である場合において,破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき,別除権者が旧取締役に対してした別除権放棄の意思表示は,これを有効とみるべき特段の事情の存しない限り,無効と解するのが相当である。』
  3. 同時破産廃止(破産法216条1項)の場合には,破産手続は進行せず,廃止決定の確定によって法人格が消滅し,裁判所書記官は,破産法257条7項にもとづいて破産手続終結の登記を嘱託し,終結の登記がなされることによって法人登記用紙が閉鎖されます。
    ただし,残余の財産があれば法人格の存続を認めざるを得ないと考えられます。その場合,解散会社は清算手続を行うことになります。
  4. この場合,判例は,株式会社が破産すると株式会社と取締役との間の委任関係が終了するので(会社法330条,民法653条2号),定款または株主総会決議により取締役以外の者を清算人と定めない限り,利害関係人の請求により裁判所が清算人を選任するとしています(最判昭和43年3月15日)。
    以下判例の抜粋です(条文は旧商法のものです)。
    『会社の破産は会社の解散事由とされているが,通常は破産宣告と同時に破産管財人が選任され,右管財人が破産財団に属する財産の管理,換価,配当等の手続を担当するため,別個に清算人を選任する必要をみないのであって,商法417条1項が,会社の解散の際取締役が清算人となる旨を規定するにあたり,破産の場合を除外したのも右趣旨を明らかにしたものに外ならないのである。しかしながら,同時破産廃止の決定がされた場合には,破産手続は行われないのであるから,なお残余財産が存するときには清算手続をする必要があり,そのためには清算人を欠くことができないわけである。ところで,商法254条3項によれば,会社と取締役との間の関係は委任に関する規定に従うべきものであり,民法653条によれば,委任は委任者または受任者の破産に因って終了するのであるから,取締役の地位を失うのであって,同時破産廃止決定があったからといって,既に委任関係の終了した従前の取締役が商法417条1項本文により当然清算人となるものとは解し難い。したがって,このような場合には,同項但書の場合を除き,同条2項に則り,利害関係人の請求によって裁判所が清算人を選任すべきものと解するのが相当である。』
  5. 異時破産廃止(破産法217条1項前段)の場合にも,破産手続開始後,廃止決定の確定によって法人格が消滅し,裁判所書記官は,破産法257条7項にもとづいて破産手続終結の登記を嘱託し,終結の登記がなされることによって法人登記用紙が閉鎖されます。
    なお,この場合にも,残余の財産があれば法人格の存続を認めざるを得ないと考えられます。その場合,解散会社は清算手続を行うことになります。

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